Tシャツ自体は気に入っているものの、もう少しだけ短くしたいと考えることはないでしょうか。あと数cm程度短くできれば良いのであれば、切らないで短くする方法を試してみるのがおすすめです。
そこで、Tシャツの裾を詰めたいと考えている方のため、自分でできる裾上げについて解説します。この記事を読むことによって、少し長くて悩んでいるTシャツを自分にとって理想的な長さにする方法がわかります。
長さが気に入らなくてしまいっぱなしになっているようなTシャツがある方は、ぜひ自分で裾上げしてみてはいかがでしょうか。できるだけ失敗を防ぐために注意しておきたいポイントについても解説します。
目次
裾上げ専用のテープを使った方法
ミシンなどがなくてもできる裾上げといえば、裾上げ専用のテープを使った方法です。裾上げをしたことがない方だと「専門的な知識がないとできないのでは」と不安になってしまうこともあるでしょう。
ですが、裾上げテープを使えば初めての方でも簡単にTシャツの長さを調整できます。ミシンを使った方法と比較して挑戦しやすいことから、男性の方が購入して使用するケースも珍しくありません。
裾上げで使えるテープは、大きく分けて両面タイプと、片面タイプの2種類です。また、水に濡らして使うタイプのものもあります。
裾上げテープの色は、商品によって異なります。例えば、白いTシャツの裾上げをするのに黒い裾上げテープを使うと裾上げテープの色が透けて見えてしまうこともあるので、気を付けましょう。Tシャツの色に合わせて選ぶのがおすすめです。
用意するもの
最低限必要なのは、裾上げしたいTシャツと、裾上げテープ、ハサミ、アイロンです。
水で濡らして使うタイプの商品を選択する場合は、これらに加えて水を用意しましょう。洗面器や小さな容器に少量の水を張って用意しておくのがおすすめです。
手順
全体的な手順を確認してから始めましょう。
手順1 アイロンでわかりやすく印をつけておく
あらかじめTシャツの長さを確認し、裾上げしたい部分まで追っておきましょう。折り目がわかりやすくなるように、アイロンをかけて印をつけます。
よくあるのが、Tシャツの表側と裏側で折り返す長さがずれてしまうミスです。実際に裾上げテープを使い始める前に長さが均一になっているか確認しましょう。
手順2 裾上げテープの準備
続いて裾上げテープを用意します。裾上げテープは、裾の端に貼り付けて使うものです。部分的に使うのではなく、裾を一周させるような形で貼ります。
長さがちょうど一周になるように調整するのも良いのですが、短く切ってしまう可能性を考え、一周の長さに+2cm程度余裕を持たせて切っておくのがおすすめです。
なお、必要な長さを測る際には、必ず実際に裾上げテープを貼る部分に重ねる形で測ってください。Tシャツは場所によって長さが異なるので、他の部分で測ると必要以上に長く切ってしまったり、短く切ってしまったりする恐れがあります。
手順3 裾側にテープを貼る
両面タイプと片面タイプでは方法が異なります。どちらも水で濡らして使うタイプのものはあらかじめ水に浸し、軽く絞っておきましょう。
まず、両面タイプは、接着したいところに挟み込むような形でセットします。アイロンの熱で両面テープの接着剤を溶かし、Tシャツ生地を接着することを意識し、場所を調整してください。裾上げするためにTシャツを内側に折り、生地の内側同士を接着する形です。裾上げテープは挟み込む形になるので、外側からは見えません。
片面タイプの裾上げテープは、Tシャツを内側に折ったら、テープの半分を折り返した裾の端部分、もう半分をTシャツの裏側の生地に当てて接着します。そのため、仕上がりの段階で生地を裏返すと、裾上げテープが見えることになります。裏側からの見た目が気になる方は両面タイプを使うと良いでしょう。
手順4 アイロンを押し当てる
接着する際は、アイロンの熱を使います。裾上げテープを目的の位置にセットしたら、当て布をしてからアイロンをかけましょう。当て布をすることなくアイロンをかけた場合、Tシャツ生地がテカテカになってしまう可能性があります。
アイロンの熱で接着剤を溶かし、それが固まる際にしっかりとまる形です。
なお、アイロンにスチーム機能がついていれば、水に浸して使う裾上げテープでも水につけることなく使えるものがあります。具体的なアイロンの温度やスチームが使えるかについては使用する裾上げテープの取り扱い説明をチェックしてみてください。
一度に広範囲を行おうとすると失敗しやすいので、小さな範囲から試してみるのがおすすめです。
乾いて固まったら接着し損ねている部分がないかよく確認しましょう。接着が甘い部分があった場合は、再度アイロンをかけていきます。
失敗したとして、一度しっかり貼った裾上げテープを剥がして修正するのは簡単ではありません。どうしても剥がしたい場合、当て布の上からアイロンのスチームを当てて接着剤を溶かして少しずつ剥がす方法があります。ただし、生地が傷んでしまう可能性もあるのでおすすめはできません。
また、裾上げテープを使った方法はとても簡単で便利なのですが、洗濯を繰り返すうちに接着力が弱くなってしまうことがあります。何度か洗濯した後にきちんとくっついているかよく確認した方が良いでしょう。
場合によっては定期的に部分的な補修が必要になることもあります。
ミシンを使う方法
ミシンを持っている方は、裾上げにミシンを活用してみてはいかがでしょうか。裾上げテープを使った方法だと強く引っ張ったり、接着力が弱まったりした際に取れてしまうことがありますが、ミシンならしっかり裾上げできます。
ミシンを持っている方でなければ選択できないデメリットがありますが、キレイに縫えれば仕上がりが非常にキレイです。お店で行った裾上げのような見た目にもできるので、美しく仕上げたいと考えている方もミシンを選択してみてはいかがでしょうか。
業務用のものではなく、一般的な家庭用のミシンで問題なく裾上げが可能です。Tシャツの裾を切る形で仕上げる場合は端処理をしなければなりませんが、切らずに裾上げをすればその手間も省けます。
用意するもの
裾上げするTシャツとミシン、Tシャツの色に合わせたミシン用の糸を用意しておきましょう。この他にボビン、まち針、アイロン、当て布などが必要です。
手芸店に行けばさまざまなカラーのミシン糸が置いてあるので、実際に裾上げをしたいTシャツを持参して近い色の糸を探すと良いでしょう。
糸にはいろいろな種類があります。Tシャツを縫う場合、伸びる生地を縫うのに適したレジロンミシン糸などを選択するのがおすすめです。
レジロンミシン糸は、糸自体に伸縮性があるのが特徴で、同じく伸縮性のあるTシャツ生地を縫うのに適しています。全く伸縮性がないミシン糸を選択してしまった場合、生地が伸びた際に糸が切れてしまう可能性があるので、注意が必要です。
手順
ミシンで縫う場合、以下のような手順で行ってみてください。
手順1 アイロンで折り目をつける
Tシャツを裏返しにし、裾上げしたい部分を折りましょう。アイロンをかけてわかりやすく折り目をつけておきます。
なお、ミシンを使った方法の場合、アイロンがなくても対応可能です。この場合、重しになるものを置き、折り目に印をつけましょう。
手順2 ずれないようにまち針で押さえる
折り返した布をまち針でとめていきます。まち針は、2枚の布がずれないように仮止めする目的で使うものです。
注意点として、縫い線に対し、垂直にまち針を打つようにしましょう。よくある間違いが、縫い線に沿って打つものです。また、斜めに打ってもよくありません。
慣れている方であればまち針を使わなくてもキレイに縫えますが、自信がない方は丁寧にまち針で固定しておくことをおすすめします。
さらに、まち針だけだと不安がある方はしつけ糸でしつけをかけておきましょう。しつけ糸とは、輪になって束ねられた状態で販売されている糸であり、ミシンをかけた際に縫い目がずれないように使います。
しつけ縫いをすることなくまち針をつけたままで縫い始める場合、まち針近くにミシン針が到達したら、まち針を抜きましょう。そのまま縫い進めてしまうと、ミシン針がまち針にあたって傷んでしまうおそれがあります。
手順3 ミシンで縫う
ミシンを使って実際に塗っていきます。ポイントとして、Tシャツの生地は伸縮性があるため、生地を引っ張らないように注意しながら加減して縫います。引っ張りながら塗った場合、Tシャツの形が崩れてしまうこともあります。
裾上げする長さに応じて、二つ折り、または三つ折にしてから縫うのが一般的です。
二つ折りとは、裾部分を一度だけ内側に折り返し、二枚重なった布を縫う方法のことをいいます。ただ、裾側を縫うことになるので、長く裾上げをする場合、縫い目部分が上の方にきてしまいます。場所によっては目立つので、長く裾上げする場合はもう一度布を折って生地を三重にする三つ折りを選択した方が良いでしょう。
三つ折りをしても縫い目が上のほうにきてしまうような場合は、四つ折りにする方法もありますが、生地を切って短くするのも一つの方法です。何度も折り返してとめると裾のあたりが重く見えてしまうので折り返す量に合わせて切るか、そのまま縫うか考えてみてください。
手順4 アイロンをかけて整える
一周ミシンがけが終わったら、当て布をしたうえでアイロンをかけて形を整えましょう。手縫いをするのに比べて短時間で完了するので、慣れている方であればミシン縫いがおすすめです。
手縫いする方法
ミシンを持っていない方や裾上げテープを買いに行く暇がない方は、手縫いで仕上げるのがおすすめです。時間がかかってしまいますが、針と糸があればできるので、すぐに取り掛かれるメリットがあります。
用意するもの
最低限、針と糸だけあれば始められますが、キレイに仕上げるためにはアイロンとまち針、しつけ糸も用意しておきましょう。アイロンをかける際の当て布として、ハンカチや手拭いなどの準備も必要です。
手順
基本的な手順はミシンと変わりありません。以下のように行います。
手順1 アイロンでしっかり折り目をつける
Tシャツを裏返して裾上げしたい場所を折り、アイロンで折り目をつけておきます。この作業を省くとキレイに仕上がりません。折り目をつける際にも当て布をしておきましょう。
手順2 まち針で固定してからしつけ縫いをする
折れ目部分がずれないように注意しながらまち針で固定していきます。そのうえでしつけ糸を使い、しつけ縫いをしていくと手縫いしている最中にずれることがなくて安心です。
手順3 裾の端部分を塗っていく
縫うときのポイントは、あまり糸を強く引かずに縫うことです。弱めの力加減で引っ張って縫うようにしてください。ただし、あまり緩くし過ぎると縫い目部分がたるんで見えてしまうため、適度な力加減が必要です。
「なみ縫い」か「まつり縫い」で縫い進めていきましょう。
なみ縫いとは、一般的な縫い方で、表と裏を等間隔で縫う方です。特に手芸に慣れていない方は、なみ縫いで挑戦してみてください。
ひと針分は約5mmです。間隔を広くすればその分短時間で縫えますが、縫い目部分が目立ちやすくなります。表と裏で等間隔を意識して縫い進めていきましょう。
最初から最後まで一気に縫うのではなく、10cmほど縫い進めたら軽くしごき、縫い目を整えるのがポイントです。これを繰り返して最後まで塗っていきます。
ある程度手縫いに慣れているのであれば、まつり縫いがおすすめです。裾上げをする際に適した縫い方とされています。糸を1本どり、または2本どりにし、縫い始めは布の折り山の裏から針を入れましょう。
表側に見える部分の布を織り糸2本程度だけすくい、縫いしろの裏側から表に対して斜めに針をさします。これを繰り返すのが代表的なまつり縫いです。
表部分はほとんど縫い目が目立ちません。裏面を見ながら縫うことになりますが、定期的に表面はどのような状態になっているのか確認しながら進めていきましょう。
手順4 アイロンをかけて形を整える
最後にアイロンをかけ、形を整えたら完成です。この際も当て布をしておくのを忘れないようにしてください。ミシンがなくても丁寧に手縫いをすれば、キレイに仕上がります。
求めているベストサイズの洋服を選ぶためには
こちらの記事では求めているサイズの洋服を選ぶ方法をご紹介しています。
知っておきたい、素材の違いで感じるサイズの違いや、ネット上で選ぶ上で理解しておきたい着丈や総丈の意味など詳しく解説しておりますのであわせてご覧ください。
お気に入りの長さに自分で調整しよう
Tシャツの裾を短くして長さを調整する方法について紹介しました。何となく難しいと思っていて避けている方の中には、意外と簡単だと感じた方もいるのではないでしょうか。
自分で調整できれば、気になるデザインのTシャツを見つけたけれど長い場合に迷わず購入できるようになります。
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