目次
Tシャツ生地の素材と特徴
Tシャツの生地として使われる素材には主に「綿(コットン)」と「ポリエステル」そしていくつかの素材を組み合わせた「混合素材(混紡素材)」の3つがあります。
それぞれどのような特徴があるのかを種類別にご紹介します。
綿(コットン)
綿(コットン)は、Tシャツの生地としてよく使われる定番の素材です。
木綿の栽培自体は8000年以上も前からメキシコで行われていたといわれています。
肌触りがよく、吸水性に優れているので、水分をしっかり吸水してくれます。
Tシャツだけでなく、保温性や耐久性も高いので、タオルや布団などにも使われている素材です。
しかし、洗濯の時に縮みやすかったり、乾きにくかったりといった特徴も持っています。
汗をたくさんかく場面では、そのまま着ているとベタベタした状態が続いてしまうかもしれません。
涼しい室内や汗をかいたあとにすぐに着替えられる場合は、保温性や吸水性の高い綿が人気です。
ポリエステル
ポリエステルは、軽くて丈夫、そして薄い化学合成で作られた生地です。
通気性が抜群で乾きやすいといったメリットがあり、たくさん汗をかいたあとでもサラッと着こなせます。
また、しわや型崩れが起きにくい素材となっています。
一方デメリットとしては、静電気が起きやすいので冬はバチバチと静電気が発生しやすいです。
また、独特のつるつるした肌触りが苦手な方も中にはいます。
たくさん汗をかく屋外でのイベントやスポーツをする場合は、サラッと着こなせるポリエステルのTシャツが適した素材となっています。
混合素材(混紡素材)
混合素材(混紡素材)は、綿やポリエステルなど複数の素材を組み合わせて作られています。
それぞれの素材をどれくらいの割合で組み合わせるかによって着心地や特徴が変化していきます。
例えばTシャツを作成する際「そこまで汗をかかないので、とにかく着心地を重視したい」場合は、綿を多めに使ったものが人気です。
「どれだけ汗をかいてもサラッと着たい」といった方はポリエステルを多めに使えば、速乾性の高いTシャツを作れます。
また「スポーツでたくさん汗をかくから吸汗速乾性がいいけど、肌触りがいいものを着たい」といった場合は、綿とポリエステルの分量をほぼ同じにすれば肌触りと吸汗速乾性の両方を手に入れられます。
このように素材の割合を変えると、目的やそれぞれのこだわりに合わせて作れるのです。
また、混合素材の中には「トライブレンド」と呼ばれる素材もあります。
綿とポリエステルに加えて、レーヨンを組み合わせた素材です。
レーヨンは、シルクのような滑らかな肌触りが特徴です。
トライブレンドは、綿の吸水性や着心地、ポリエステルの速乾性、レーヨンのシルクのような肌触りを兼ね備えています。
それぞれの良い部分ばかりを集めたような素材ですが、縮みやすい特徴もあるのでご注意ください。
5000年の歴史が実証する綿の実力
Tシャツに適した素材としては、圧倒的に綿が多く用いられています。
綿は5000年以上も前から人類の歴史とともに歩み続け、生活に欠かせない素材としてなじみの深い天然繊維です。
綿は肌触りが良く吸汗性に優れるため、肌着や夏場の衣料品に適していること、染料による染まりが良いので発色性に富むことなど、多くの長所があります。
短所としては、縮みやすさや白化(選択や摩擦などによる毛羽立ち)が目立つこと、シワになりやすいことなどでしょう。
着心地の違いをつくる「糸の撚り心地」
Tシャツ生地に使われる綿糸は、糸の構造によって風合いや着心地が大きく違います。アメリカ製Tシャツによく用いられるオープンエンド糸(空気紡績糸/空紡糸)は、空気圧で繊維が撚り合わさった構造を持ちます。
繊維の間に空気を含むためふっくらしたボリューム感がありますが、織り地はドライでざっくりしたナチュラルな硬めの風合いになるのが特徴です。
多少ゴワゴワした感触がありますが、吸汗性と速乾性に優れているので、機能的で実質本位な品質にこだわる人、アメリカンテイストを好む人に人気の素材です。対して、綿糸をロープのように撚ったリングスパン糸(普通紡績糸)は、オープンエンド糸に比べてシワになりにくいことが特徴です。
Tシャツの編み方の種類と特徴
ここまでは、生地の素材について説明してきましたが、生地の編み方や織り方によっても肌触りや機能性が大きく変化します。
平織や綾織、裏毛や天竺などさまざまな種類がありますが、それぞれどのような特徴があるのでしょうか。
ここからは、代表的な編み方や織り方をいくつかご紹介していきます。
平織(ひらおり)
平織(ひらおり)とは縦糸と横糸を1本ずつ交互に織っていく方法です。
模様は左右対称に織られているため、とても頑丈で耐久性に優れています。
糸が重なっているので生地に厚みが出てしまいますが、糸が交差している部分に隙間があるため通気性が高いです。
ただし、伸縮性はあまりありません。
シャツに平織がよく使われています。
綾織(あやおり)
綾織(あやおり)とは、糸が交差する部分が斜めに見える織り方です。
糸を浮かせて織っていて、完成した生地は左右非対称なのが特徴です。
糸を浮かせている結果、交差する点が少ないため、摩擦に対しては少し弱くなっています。
平織に比べると糸の密度が高く丈夫で伸縮性があります。
ジーンズやチノパンなどによく使われている織り方です。
裏起毛(うらきもう)
裏起毛(うらきもう)とは、平織が変化したもので、裏毛のパイル部分の編みを起こしたものです。
生地の厚みが増すため、保湿性・保温性にとても優れています。
また、ふんわりとした毛布のような肌触りも特徴です。
パーカーやスウェットなどでよく使われており、寒い冬の時期の防寒対策に適した素材となります。
裏毛(うらけ)
裏毛(うらけ)は、表側が平織(天竺編み)で、裏側がパイル(らせん)状に編み込まれたタオル地のような生地です。
そのため、「パイル」や「裏パイル」とも呼ばれています。
裏起毛(うらきもう)同様、平織の一種です。
表面は滑らかな見た目ですが、裏側は柔らかい肌触りで保温性に優れています。
また、タオルのような生地のため、吸水性が高い特徴があります。
こちらもスウェットやトレーナーなどによく使われているほか、吸水性の高さから、スポーツをするときにも裏毛の服は使用されています。
「裏毛」と「裏起毛」名前は似ていますが、ごわつきにくく吸水性を重視したい場合は「裏毛」、ふわふわでより保温性を重視したい場合は「裏起毛」を選ぶといいかと思います。
天竺(てんじく)
天竺(てんじく)とは、ニット生地の代表的な編み方の名前です。
別名「平編み」とも呼ばれています。
表にはV字型、裏には半円型のやや粗い網目が出ているのが特徴です。
横方向への伸縮性がとても高くて型崩れしにくいです。
また保温性に優れているため、カーディガンや靴下などにも最適な編み方となっています。
しかし、縦方向への伸縮性はあまりないので、スポーツウェアとして使用する場合にはあまり向いていないかもしれません。
鹿の子(かのこ)
鹿の子(かのこ)とは、平編みを変化させた編み方で重ね編みと表編みの2つの編み方がされたものです。
鹿の子の名前は、編んだ時の編目の模様が子鹿の背中にある白いまだら模様に似ているため、そのように呼ばれています。
表面には凹凸があるので、その分肌に触れる面積が小さく、涼しさを感じられたり通気性に優れていたりします。
しかし、平織と比べると横方向の伸縮性は低いです。
ポロシャツやスポーツウェアを始めとした、夏によく着るものの定番の編み方となっています。
現在、国産や中国産のTシャツの多くはこのリングスパン糸による生地を使用しています。
このうち、コーミング(櫛で梳いて毛羽を取り除く作業)を経たコーマ糸はしなやかでツヤのある風合いに仕上がりますが、コスト面から、コーミングの過程を省いたラフな感触のカード糸の製品のほうが主流になっています。
編み立て方も適材適所で
Tシャツに用いられる生地では、天竺編みによる生地が一般的です。
平編みとも呼ばれ、適度な伸縮性と耐久性に優れ、生活着に最適な風合いです。
フライス編みは、主に首や袖口などのリブ編み部分に用いられる、強度と伸縮性が最も高い編み方です。
ポロシャツに多い鹿の子編みは、凹凸のテクスチャーでドライ感のあるサラッとした着心地が特徴で、高い吸湿速乾性からTシャツやスポーツウェアなどにも使用されます。
Tシャツの定義を変える特化型高機能素材
近年では合成繊維の研究が進み、吸汗速乾性だけでなく体温調節や紫外線カット効果などの高機能型素材を用いたTシャツも多くなっています。
スポーツウェアとしてはもちろん、猛暑を快適に過ごすためのタウンウェアからルームウェアまで幅広くカバーしているのはご存じの通り。
ポリエステル・メッシュタイプの長袖ドライTシャツが通年使用したくなる快適さで人気を呼ぶなど、高機能素材はファッションを超えた生活必需品として受け入れられつつあります。
生地からこだわったオリジナルTシャツを手に入れよう
今回の記事では、Tシャツの素材や編み方・織り方について解説をさせて頂きました。
同じTシャツでも素材や編み方で風合いや着心地は大きく異なります。
Tシャツは汎用性が高くオールシーズン活躍するアイテムなので購入の際はこだわってみてはいかがでしょうか。
ティーズファクトリーでは、様々な種類のTシャツを取り扱っており、自社に経験値の高いデザイナーとプリント工場も抱えているので、高品質なオリジナルTシャツを短納期で手に入れることが可能です。
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