プリントされているタイプのTシャツは、長く着ているとプリント部分が剥がれてしまうことがあります。剥がれかかっているような状態で洗濯をするとさらに悪化してしまうことも多いです。
そこで「Tシャツのプリントが剥がれたらどうすれば良いの?」と悩んでいる方のため、対策について紹介します。
そもそも、なぜ剥がれてしまうのでしょうか。代表的な原因と剥がれを予防するためのポイントについても解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事を読むことによってTシャツのプリントが剥がれてしまう原因や対策がわかります。効果的な対策を知り、お気に入りのTシャツを長持ちさせましょう。
目次
プリントが剥がれてしまう原因
新品のプリントTシャツはしっかりプリントされていますが、気づかないうちに少しずつ剥がれてしまうことがあります。代表的な原因は、経年劣化と、洗濯を繰り返したことによる劣化、間違った取り扱いによるものです。それぞれ解説します。
経年劣化
プリントTシャツに限ったことではなく、洋服は少しずつ劣化してしまいます。特に、お気に入りのTシャツで何度も繰り返して着ていると、劣化は激しくなるでしょう。
中にはプリント部分が剥がれるよりも先にTシャツが傷み、着用できないような状態になることもあります。プリントTシャツだからといってすぐにプリントが剥がれてしまう心配はありません。耐久性の高いインクでプリントされていますが、経年劣化による影響はなかなか防ぐのが難しいです。
洗濯での劣化
汚れを落とすために行う洗濯でも劣化していきます。洗濯機で洗うと激しい水流で揉まれてすすがれ、脱水されていきますが、その過程の中で少しずつ生地は傷みます。ただ、着用した以上洗わなければならないので、洗濯をせずに劣化を防ぐ対策は難しいでしょう。
取り扱い方による劣化
プリントされている部分を伸ばしてしまうような取り扱いをしている場合、そこからヒビ割れが発生し、剥がれてしまうことがあります。特に注意したいのは、Tシャツを脱ぐ時です。
Tシャツを思い切り引っ張って抜いている方は、劣化しやすくなるので注意しましょう。
干す時も注意が必要です。Tシャツのしわを伸ばすため、全体的に生地を伸ばしてから干している方もいるのではないでしょうか。プリント部分に大きな負担をかける形になってしまうので、避けましょう。
プリントが剥がれたときの対処法
Tシャツのプリント部分が剥がれたら、早急に対策をとることが重要です。剥がれている部分がほんの少しだからといって放置してしまうと、そこからさらに剥がれてしまう可能性があります。
以下のような方法で対策をとりましょう。
布用ボンドを使用する
剥がれた部分が残っていたり、まだ剥がれかかっていたりする段階であれば、布用ボンドで補修ができます。布用ボンドは手芸店のほか、ホームセンターや100円ショップなどでも購入できるので、入手しやすいでしょう。価格は高くても1,000円以内ですし、100円で購入できるものもあるので、1本用意しておくのがおすすめです。
注意点として、木工用ボンドまたは接着剤の中には、水に弱いものがあります。一時的に補修できたとしても選択した際に再度はがれてしまう可能性があるので、使うのは避けましょう。
アイロンを当てて接着する
熱を使ってプリントしているタイプのTシャツは、アイロンで再度熱を使って圧着することにより修復できることがあります。ただ、これは剥がれた部分に接着剤の成分が残っている場合に有効です。
アイロンを使って接着する場合は、必ず当て布をしてから行いましょう。当て布は薄い布のことであり、ハンカチや手ぬぐいのほか、クッキングシートなどが使えます。
当て布をせずにアイロンを使うと、インクが溶けてアイロンに移ってしまう恐れがあります。
アイロンの温度は「中」に設定し、少しずつ位置をずらして押し当てて圧着しましょう。部分的にアイロンを当てるとそこだけ色が変わってしまうことがあるので、プリントが剥がれていない部分も含めて全体的に行うのがポイントです。
念のため、目立たない場所から始めて問題がなければ全体的に行ったほうが良いでしょう。なお、長時間アイロンを当てると、その部分の色が濃くなることがあります。色むらができないように注意しましょう。
自分でアイロンプリントをした場合、当て布の代わりに商品付属の仕上げシートを使うのもおすすめです。
布用ペンで色を塗る
剥がれたプリント部分がうまく接着しなかったり、なくしてしまったりした場合は布用のペンを使って直接色を塗るのも良いでしょう。使用する布用ペンによって使い方が異なるので、よく確認したうえで行ってみてください。
それから、アクリル絵の具を使った方法もあります。工作の時間などにアクリル絵の具が服についてしまい、取れなくなった経験をしたことがある方もいるのではないでしょうか。耐水性がある絵の具なので、数回程度であれば洗濯にも耐えます。
100円ショップでも購入でき、色を組み合わせて目的の色を表現しやすいのもポイントです。うまく活用してみてはいかがでしょうか。
塗り始める前に、インクや絵の具がつくと困る部分をマスキングしてから始めるのがおすすめです。
アクリル絵の具は乾燥するまでに時間がかかるので、塗り終わったら完全に乾くまでしっかり時間をおくことが重要です。乾燥しきる前に洗濯をすると取れてしまいます。
注意点として、布用ペンやアクリル絵の具を使った方法は、しっかりインクの色を合わせなければ目立ってしまうほか、いかにも修復したことがわかるような状態になってしまうことも多いです。
限定的に小さい範囲のみ修復するのに適した方法だといえます。繊細なデザインのものや写真をプリントしたものなどの修復には向いていません。
白地のTシャツに黒のインクでロゴが印刷されており、そのロゴの一部分を修正するような簡単な方法であれば、自分で試してみても良いでしょう。
剥がれたプリントの対処法について紹介しましたが、新品のような形に元通りにするのは非常に難しいことです。簡単な修復程度であれば自分で行えることもありますが、自己流の修復を行ったところ、悪化してしまうようなケースも少なくありません。
大切なプリントTシャツであれば、修復を専門的に行っている業者に相談するなど、慎重に検討したほうが良いでしょう。
また、プリントTシャツにはヴィンテージ感を出すためにわざとTシャツを引っ張ってヒビ割れさせるクラックプリントと呼ばれる技法もあります。小さな剥がれやヒビ割れ程度であれば、クラックプリントのような感覚で楽しんでみてはいかがでしょうか。
プリントを長持ちさせる・剝がれを防ぐ方法
素敵なプリントを長持ちさせるためには、できる限り劣化を防ぐことが重要です。そのためには、洗濯の仕方などに注目してみましょう。
洗濯の仕方
洗濯をするたびにTシャツが傷みますが、Tシャツを裏返した状態で洗うことにより、劣化を抑えられます。プリント部分が他の服などと擦れることによって激しく劣化するため、裏返してプリント部分を隠しましょう。
Tシャツを裏返した状態でもきちんと洗えるので、問題ありません。
さらに慎重に洗濯したいのであれば、裏返した状態で洗濯ネットに入れて洗うのがおすすめです。洗濯機を使う場合、洗濯ネットに入れたうえで「弱」の設定にして洗うと、ダメージを抑えられます。
洗濯ネットに入れることなく大量の洗濯物と一緒に洗った場合、他の洗濯物に絡まってプリント部分が引っ張られてしまうことがあります。するとプリント部分が伸び、剥がれの原因につながりやすくなるので注意しましょう。
すでにプリントが剥がれかかっているTシャツの場合、慎重に洗っても劣化が進んでしまうことがあります。そういったものについては、できれば手洗いでキレイにした方が良いでしょう。プリント部分はゴシゴシとこすらず、軽く洗うのがポイントです。
同様にすすぎ、脱水も優しく行ってください。
それから、洗濯が終わったあとはすぐに干すようにしましょう。濡れたままの状態で放置してしまうと、プリント同士がくっついてしまい、剥がれやすくなってしまうことがあります。
乾燥機は使わない
プリントTシャツに乾燥機を使うのはおすすめできません。熱風で乾燥させるタイプの乾燥機の場合、プリント部分が大きく劣化してしまう可能性があります。
早く乾燥させたほうが傷みが少ないのではないかと考えてしまう方もいるかもしれませんが、プリント部分を裏返して洗い、そのままの状態で陰干しして乾燥させるのがおすすめです。
洗うたびに乾燥機をかけているような場合は短期間でTシャツが傷んでしまうので注意しましょう。
プリント部分を折った状態で収納しない
選択したTシャツを収納する際、折ってからタンスなどに入れて保管している方もいますが、プリント部分が折れるとヒビ割れが発生しやすくなります。
できる限りプリント部分が折れないように注意しましょう。しわにならないようにくるくると丸めて保管する方法もありますが、同様にプリント部分に負担をかけてしまいます。
特におすすめの収納方法は、ハンガーにかけてクローゼットに保管する方法です。ハンガーにかけるのが難しいような場合は、プリント部分ができるだけ折れないようにたたみ方を工夫してみてください
プリントが薄くなったときはアイロンを使ってみる
プリントが薄くなってしまった場合、アイロンの熱を使って発色をよみがえらせる方法があります。劣化によって少しずつ色が薄くなることがあるのですが、そういったタイミングでアイロンをかけてみてください。
剥がれたプリントを復活させるのと同様に、当て布をして行いましょう。ポイントはアイロンの温度設定を低めにすることです。また、服のしわを伸ばす時のようにアイロンを滑らせるのではなく、上から押しつけるような形であてるとさらに効果があります。
剝がれにくいプリント方法
どのような方法でプリントされたのかによって剥がれにくさが変わってきます。例えば、オリジナルのTシャツを発注したいと考えているのであれば、プリント方法を確認してから注文したほうが良いでしょう。
現在主流となっているのは、シルクスクリーンプリントです。
版を作り、Tシャツにインクを刷り込んでから乾燥させて仕上げるプリント方法のことをいいます。耐久性に優れているのが特徴です。
そのため、頻繁に洗濯するTシャツの場合、シルクスクリーンプリントで作られたものが向いているでしょう。耐久性の高いインクを使った方法であるため、洗濯を繰り返しても比較的色あせしにくいのもメリットです。
ただし、インクが厚く乗るため、プリント部分がヒビ割れを起こしやすくなります。前述したように、Tシャツを裏返した状態で洗濯ネットに入れて洗う、乾燥機は使わずに自然乾燥させるなどの注意点を守ることによりヒビ割れを防ぎましょう。
他に剥がれにくいプリント方法としては、インクジェットプリントが挙げられます。生地に薄くインクを吹き付ける方法であるため、インクが厚く乗るシルクスクリーンプリントと比較して剥がれにくいのがポイントです。
ただ、耐久性はそれほど高いとはいえません。
どちらの印刷方法にもメリット、デメリットがあるので、慎重に検討してみてはいかがでしょうか。
剥がれにくいデザイン
デザインによって剥がれやすさが変わります。一般的に、大きな範囲にプリントされているものはヒビ割れが発生しにくく、そこから剥がれる可能性は低いといえるでしょう。
一方で、デザインが細いものや、プリント面の範囲が狭いものは小さなヒビ割れが起こった際にそこからプリントが剥がれてしまうことがあります。
文字についても同様で、太い線の文字は剥がれにくいですが、筆記体に多い細い線の文字は剥がれやすいです。
参考記事:Tシャツがよれよれになってしまう原因と簡単にできる復活の裏技
プリントTシャツは取り扱いに注意が必要
Tシャツのプリント部分が剥がれる原因や対処法について紹介しましたが、いかがだったでしょうか。プリント部分はどうしても剥がれやすいといえるので、できる限り剥がれ防止の対策を取り、丁寧に取り扱うことが重要です。
特にオリジナルのプリントTシャツを作る場合は、品質の高さにこだわっている専門業者に依頼しましょう。T’s FACTORYでは高品質なTシャツプリントに対応しています。
自社工場で丁寧に加工しているので、オリジナルTシャツの制作を検討している方はぜひご相談ください。